しろがね つばさ
白銀の翼
あのときの自分は
未来の可能性を信じていた
希望を抱いていた
この苦しい坂を越えれば
そこにあるのは勝利なのだと
思わずには生きられなかった
きちんと追求すれば揺らいでしまうような根拠をかさに
穴だらけの勝因に縋り
その粗から眼をそむけ
見て見ぬ振りし
勝負を挑んだ相手のことすらよく理解せずに
ただ自分を守ることだけで精一杯だった
あのときが
遠い過去となった今
誰かがあのときの自分をわらうだろうか
わらわれるとしても
あのとき自分は確かに
強い心でただひたすらに
その道が正しいのだと信じていた
その道を信じることに
生きる術を見出していた
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しろがね つばさ
白銀の翼